精巣がん初期症状

① 精巣がん

精巣がんは、精子を作ったり男性ホルモンのテストステロンを分泌する、男性生殖器の精巣、いわゆる睾丸にできるがんです。
精巣がんは日本人男性10万人当たり1~2人と、発症する方は少ないのですが、乳幼児と20~40歳に多く、若い男性に発症するがんのうち、最も多いがんです。
精巣がんは、初期の症状は少ないのですが、超音波(エコー)検査や血液検査による腫瘍マーカーなど、簡便な検査で、精巣がんと診断することが可能です。進行・転移しやすい特徴があるため、精巣がんと疑われれば、まず精巣を手術で摘出し、詳細ながんの組織検査を行い、その後の治療を決定します。
組織型によっては、進行・転移しやすいのですが、術後の化学療法や放射線療法の効果が高いため、治療後の回復の予測(予後)は比較的良好ながんです。転移のないあるいは、転移があっても横隔膜に達していなければ、5年生存率は95~100%です。
20~40代という年齢に好発するため、勃起障害や、逆行性射精といって精液が膀胱内に逆行するなど手術の後遺症を予防する手術法の開発や、化学療法前に精子を保存するなど、精巣がんを患った方の生活の質を考えた治療法が薦められています。
しかし、できるだけ早期に発見して、治療を開始すれば、経過観察で様子を見ることもでき、また治療による身体の負担も軽くてすみます。では、どのようなことに気を付けたら、精巣がんの早期発見に結び付くのでしょうか。まず精巣がんの症状を知っておくことが重要です。
精巣がんの症状を紹介します。

② 精巣がんの初期症状

精巣がんの初期にあらわれる症状をご紹介します。思い当たるものがないか、チェックしてみましょう。

・陰のうの中の精巣にしこりがある。
・精巣が腫れて大きくなっている。
・精巣が腫れて硬くなっている。
・精巣が左右で硬さや大きさが違う。
・精巣が腫れているが、痛みは感じない。
・下腹部が重く感じる。
・下腹部に鈍痛がある。

② 精巣がんの主な症状

精巣がんの初期の主な症状は、精巣の腫れや痛みですが、精巣がんは進行しやすく、周囲の組織や他の臓器に転移しやすいため、転移による症状が現れるようになります。

・腹痛、腹部のしこり、腰痛など
精巣がんは、腹部のリンパ節に転移しやすく、転移すると腹部や腰に、痛みや腫れといった症状が現れます。

・呼吸困難、咳、血痰など
肺に転移すると、呼吸器の症状が現れます。

・その他
進行して横隔膜より上の臓器に転移すると、転移した臓器に症状が現れます。また、全身状態も悪くなります。

③ 精巣がんのリスクファクター

精巣がんにかかりやすい方のリスクファクターが研究されています。

・家族歴
精巣がんの発症には、複数の遺伝子が関与していることがわかっています。精巣がんの発症リスクは、父親が精巣がんの場合には4倍、兄弟の場合には8~10倍になると言われています。家族に精巣がんの方がいる場合には、セルフチェックを欠かさず、また腫瘍マーカーなどもありますので、定期的な検査について医療機関にご相談ください。

・片側の精巣がんを患ったことがある
片側に精巣がんが出来た場合、もう一方の精巣にがんが発生するリスクは25倍になるという報告があります。精巣がんを一度発症した方は、もう一方の精巣についても気を付けるようにしましょう。

・停留精巣(ていりゅうせいそう)
精巣は胎児の間に腹腔内から下降して陰のうにおさまるのですが、途中で止まってしまい、陰のうに無い先天異常を停留精巣と言います。通常、生まれてから6ヵ月~1年以内は、陰のうに降りてくる可能性がありますが、降りてこない場合には、2歳までに手術を行い陰のう内におさめることが薦められています。
停留精巣は、精巣がんの原因となることが明らかになっているので、医師の指示に従い、手術をするようにしましょう。

・尿道下裂(にょうどうかれつ)
尿道下裂は、尿の排出口である尿道口が、陰茎の腹側に開いている先天異常です。陰茎も腹側に曲がっているため、立って排尿することや、将来的に性交が困難になります。尿道下裂は停留精巣と合併していることもあります。尿道下裂は精巣がんのリスクが2.13倍上昇するという報告もあり、1~2歳までに手術することが薦められています。

・不妊症
男性不妊の原因として、精液検査で精子が少ない乏精子症、精子無力症、奇形精子症、無精子症などの異常がある場合に、精巣がんのリスクが高いことがわかっています。

・その他のリスクファクター
欧米では精巣がんを患う方が多く、さまざまなリスクファクターが研究されています。
母親の年齢やつわりの程度、母親の喫煙歴、妊娠期間、出生時の体重など、出生前の母体の環境や、乳製品の摂取、体格との関係が報告されています。

④ 精巣がんセルフチェック

精巣がんを患っている可能性があるかどうか、セルフチェックをしてみましょう。Yesの数は少なくても、思い当たる点があれば、医療機関で相談してみましょう。

・父親が精巣がんを患ったことがある Yes / No
・兄弟が精巣がんを患ったことがある Yes / No
・片側の精巣がんを患った Yes / No
・片方の精巣にしこりがある。 Yes / No
・片方の精巣が腫れて大きくなった。 Yes / No
・下腹部が重い感じがする。 Yes / No
・下腹部に鈍痛がある。 Yes / No
・精巣が痛い時がある。 Yes / No
・腹痛や腹部にしこりがある。 Yes / No
・腰痛がある。 Yes / No
・風邪でもないのに、咳や痰が続いている。 Yes / No
・のどのリンパ節が腫れている。 Yes / No
・チーズ・牛乳などをよく食べる。 Yes / No
・身長は高い方だ。 Yes / No

⑤ 主な原因

精巣がんが発症する直接的な原因は明らかになっていませんが、前述したリスクファクターがある方は、精巣がんを発症する可能性が高いので、自分で常にセルフチェックをしたり、定期的に検査を受けるなど、発症予防や早期発見を心がけるようにしましょう。

⑥ 精巣がんと同じ症状の病気

精巣がんと同じような症状が出る病気があります。精巣がんと違う病気であることを、しっかりと検査して鑑別する必要があります。

・精巣上体炎(せいそうじょうたいえん)
精巣上体は精巣の上部にあり、精子の貯蔵庫です。精子は射精の時に精液となって精巣上体から精管を通して尿道口から排出されます。精巣上体炎は、尿道口から細菌などが逆行して精巣上体に達して感染症を起こしたものです。
陰のうが痛みを伴い、腫れて硬いしこりとなります。精巣がんとの違いは、感染症による発熱、白血球の増加、炎症を示す血液検査の値(CRP)の上昇などを示し、鑑別は比較的容易です。

・陰嚢水腫
精巣の周囲の陰のうに、腹腔内の液体が漏れたり、陰のう内の炎症などで血液成分が溜まったりすることで、陰のうが腫れて大きくなります。痛みはなく、水分が溜まっているので、光をあてると透けて見えます。超音波検査で診断することができます。

・精索捻転症(精索捻転症)
精索捻転症の症状は、陰のうの急激な痛みと腫れです。精巣を覆う精巣鞘膜(せいそうしょうまく)の中で、血管や精管がねじれて、精巣と精巣上体が回転することで発症します。思春期や新生児に起こりやすく、緊急に手術をしないと精巣の血流が滞り、機能障害や壊死することがあります。

⑦ 予防策は?

精巣がんを確実に予防する方法は明らかになっていませんが、少なくとも、精巣がんのリスクファクターがある方は、入浴時に精巣を触って大きくなっていないか確認したり、定期的な検査をすることをお薦めします。
また新生児の時に、停留精巣や尿道下裂など、精巣がんの原因となる疾患を指摘された場合には、主治医の指示に従って、手術など適切な処置をされることをお薦めします。

⑧ まも〜るくんの紹介

精巣がんは若い男性に多く、がんを患うという認識がない時に発症する可能性があります。精巣がんは進行や転移が早く、早期発見が治療の決め手となります。まもーるくんでは、症状が出る前に、がんのリスクが上昇したことを知らせてくれる検査が可能ですので、超早期から詳しい検査に進むことができます。

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