陰茎がん初期症状

① 陰茎がん

陰茎がんは、精子や尿の排出経路である陰茎にできる悪性腫瘍です。陰茎がんのほとんどが、陰茎の頭部である亀頭と包皮の内側にでき、陰茎体部にできることはほとんどありません。
陰茎がんは10万人に1人と発症率が低く、そのためまとまった治療成績が集まらないのですが、5年生存率はリンパ節への転移がない早期がんで90%、リンパ節への転移がある場合で30~50%と言われています。
発症年齢は60歳代に多く、喫煙、包茎、ヒトパピローマウイルス(HPV)感染などがリスクファクターとして明らかになっています。特にHPV感染は、陰茎がんの方の27~71%に認められたという報告があります。
陰茎がんの初期症状として、亀頭や包皮に湿疹ができたり、発赤ができたり、しこりに気が付いたりするのですが、痛みはありません。恥ずかしさや性感染症の不安などから、受診するまでに、平均10ヵ月間を要するという報告もあります。
陰茎がんの診断は、まずカリフラワーのような特徴的な形態から、肉眼で判断できます。がんがただれて周囲が盛り上がった潰瘍が出来る場合もありますが、陰茎がんが疑われれば腫瘍部分の組織から生検を行います。
陰茎がんの治療は、進行の度合いとリンパ節や周辺の組織への転移の有無で選択されます。早期がんであれば、がんの病巣をレーザー療法や部分切除で陰茎を温存することができますが、進行して深達度が深い場合には、陰茎の部分的な切除あるいは全摘出術を行うことになり、日常生活の質の低下や精神的なダメージを受けることが考えられます。
早期に発見し治療を開始するためには、陰茎がんの初期症状に気を付けることが大切です。

② 陰茎がんの初期症状

それでは、陰茎がんを患ったときにあらわれる代表的な症状をご紹介します。思い当たるものがないか、チェックしてみましょう。

・亀頭や包皮に湿疹や発赤がある。
・亀頭や包皮内にしこりがある。
・亀頭や包皮内にただれている部分がある。
・亀頭や包皮内に潰瘍がある。
・亀頭や包皮内にカリフラワーのようなできものがある。
・潰瘍やカリフラワーのようなできものが崩れて出血がある。
・包皮内から強い臭いや浸出液がにじみ出る

② 陰茎がんの主な症状

陰茎がんの初期は、湿疹や発疹、しこりなどで痛みはありません。進行してできものが大きくなったり、深く拡がって浸潤してくると、さまざまな症状が現れるようになります。

・陰茎がんが亀頭から陰茎の方へ拡がる
亀頭や包皮表面にできていた湿疹や発赤が、大きくなりカリフラワー状のできものになり、陰茎のほうまで拡がってきます。

・がんの病変部が崩れてくる
がんの部分が崩れて、出血したり膿が出るようになります。初期では痛みを伴いませんでしたが、だんだん陰茎や病変部に痛みが出るようになります。

・足の付け根にしこりができる
陰茎がんが、足の付け根にある鼠径(そけい)リンパ節に転移すると、鼠径リンパ節が腫れてきます。最初に陰茎がんと診断された方の約30~60%に、鼠径リンパ節の腫れがあると言われていますが、感染症によるものであることもあります。感染症の場合には、抗生物質などで治療します。

・尿が出ない
陰茎を通る尿道にがんが及ぶと尿道を圧迫して、排尿が困難になることがあります。

・全身倦怠感、体重減少
陰茎がんが進行して、他の臓器や全身性に転移すると、全身状態が悪くなり、体重が減少するようになります。

③陰茎がんのリスクファクター

陰茎がんの発症との関連が明らかになっているものがあります。

・喫煙
喫煙は明らかなリスクファクターです。喫煙者は非喫煙者の2.8~4.5倍発症リスクが高くなるという報告があります。

・包茎
包茎があると、陰茎がんの発症リスクは約10倍以上高いとされています。
包茎は、包皮を亀頭より下まで引き下ろすことが出来ない状態で、包皮内が不潔になったり、陰茎がんの原因と考えられているヒトパピローマウイルス(HPV)に感染しやすいことで、陰茎がんの発症リスクが高まると考えられています。

・ヒトパピローマウイルス(HPV)感染症
HPVは子宮頸がんの原因ですが、性感染症の尖圭コンジローマの原因でもあります。ただし、HPVウイルスには多くの型(サブタイプ)があり、陰茎がんに関連しているサブタイプは16型と18型です。
一方、尖圭コンジローマの原因のHPVは、6型と11型であり、悪性能力が低くがん化することはないと考えられています。しかし、良性腫瘍か陰茎がんかは、生検をして確認する必要があります。

・性感染症
性感染症が陰茎がんの原因として関与している可能性が推測されています。生殖器が不衛生になりがちであることも一つの要因となる可能性があります。

④ 陰茎がんセルフチェック

陰茎がんを患っている可能性があるかどうか、セルフチェックをしてみましょう。数は少なくても、思い当たることがあれば、医療機関を受診しましょう。

・60歳以上である。 Yes / No
・たばこを吸っている。 Yes / No
・包茎である。 Yes / No
・亀頭や包皮に湿疹や発疹がある。 Yes / No
・亀頭や包皮にしこりがある。 Yes / No
・亀頭や包皮、陰茎に、カリフラワー状のできものがある。 Yes / No
・陰茎のできものから出血した。 Yes / No
・陰茎のできものがただれて潰瘍になっている。 Yes / No
・足の付け根の部分が腫れている。 Yes / No
・排尿が困難である、あるいは尿が出ない Yes / No
・包皮の内側から強い臭気と浸出液がにじみ出る。 Yes / No
・セックスパートナーが多い。 Yes / No

⑤ 陰茎がんの原因

陰茎がんが発症する直接的な原因は、明らかになっていませんが、前述した陰茎がんのリスクファクターである、喫煙者、包茎がある方、性感染症の可能性のある方は要注意です。
尖圭コンジローマなど腫瘤のできる性感染症もあります。また他の性感染症であってもパートナーに対する感染予防も含めて、早期に治療を開始することが重要です。
陰茎に異常があると感じた場合には、医療機関を受診するようにしましょう。

⑥ 陰茎がんと同じような症状の病気

陰茎に腫瘤が出来る性器感染症があります。悪化すると治療が難しく、再発を繰り返し、パートナーへの感染の可能性もあるので、早期に治療を開始しましょう。

・尖圭コンジローマ
HPV感染で発症する性感染症です。感染後3週間から数ヵ月の潜伏期間の後、亀頭、冠状溝、包皮内、陰のう、尿道口周囲、肛門、肛門周囲に褐色から淡いピンク色の小さな腫瘤ができます。

・陰部ヘルペス
ヘルペスウイルス感染で発症します。感染から2~10日の潜伏機関の後、かゆみや痛みを伴った水疱ができます。水疱が破れて潰瘍になり、膿が出ることもあります。

・梅毒(ばいどく)
感染から3週間の潜伏期間の後、小豆大~指先ぐらいの大きさの硬いしこりができます。痛みはなく、しばらくすると、中心がただれて潰瘍になり、鼠径部のリンパ節が腫れてきます。
その後一時的に回復し無症状となりますが、この間に全身に病原菌が広がり、粘膜や皮膚に症状が現れます。進行すると命に関わる感染症です。近年、梅毒が増えているので気を付けなければいけない性感染症のひとつです。

・乳房外パジェット病
60歳以上の男性に多い皮膚にできるがんの一種です。陰部、肛門の周囲のほか、腋の下やへそに、初期症状としては赤い斑点がみられ、進行するとただれて浸出液が出たり、かさぶたができたります。皮膚症状がアkk誌、リンパ節への転移も認められます。

⑦ 陰茎がんの予防策は?

陰茎がんを予防する方法はありませんが、できるだけリスクファクターを減らすことが、最適な予防策と言えます。
喫煙している方は、まず禁煙を心がけましょう。また、包茎のある方は手術をお薦めします。その他、性感染症に気を付けて清潔を保つようにすることが大切です。

⑧ まも〜るくんの紹介

陰茎がんは非常に患う人が少ないがんですが、症状に気が付いても、受診をためらって早期発見を逃す方が少なくありません。まもーるくんでは、尿検査や血液検査で、早期からがんの可能性を発見できる検査が用意されています。
また、個別で医療相談などもできる体制が整っているので、異常に気が付いた時に相談することもできます。

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