膀胱がん初期症状

① 膀胱がんの特徴

膀胱がんは、高齢の男性に多く発症する悪性腫瘍で、男性のがんの第10位となっています。発症率も死亡率も横ばいといったところです。
膀胱がんは、膀胱がんの細胞が膀胱内で飛び移り(播種:はしゅ)、多発する特徴があります。また、発がん物質にさらされる機会の多い職業や環境にいると、発がん性物質が蓄積して、膀胱の粘膜の一部が変異して前がん状態になっている場合があります。
膀胱がんは、基本的にはがんの部分を切除する手術療法が行われますが、膀胱がんのこうした特徴から、完全に切除しても、膀胱内の別の場所から再発したり、前がん状態になっていた部分ががん化したりすることが多いため、定期的に検査をする必要があります。
膀胱がんを早期に発見すれば、その治療は身体に負担の少ない方法で、がんの部分を切除することができます。
膀胱がんは、ゆっくり進行し、症状が出るまでに進行することがありますが、どのような症状に気を付ければ良いのでしょう。

② 膀胱がんの代表的な症状チェック

それでは、膀胱がんを患ったときにあらわれる代表的な症状をご紹介します。思い当たるものがないか、チェックしてみましょう。

・血尿が出た
・排尿の回数が増えた
・夜、トイレに何回も起きる
・排尿時に痛みがある
・排尿しても残っている感じがしてすっきりしない
・膀胱炎の治療をしているがなかなか治らない

② 膀胱がんの自覚症状

膀胱がんは、膀胱の粘膜から発生しますが、初期には症状が出ないことがほとんどです。ゆっくり進行し、症状が出る頃には、大きく深く拡がっていることがあります。

・血尿
突然、赤く染まった血尿に驚きますが、血尿以外に症状がない無症候性肉眼的血尿と呼ばれます。膀胱内にできたがんが、前回の排尿時に刺激を受けて出血が起こります。血液と尿が膀胱にたまり、次回の排尿の時に血尿となって出るのです。
排尿の度に血尿が出るとは限りません。また、出血の量によって、血尿の色が違うこともあります。

・膀胱刺激症状
排尿の回数が多くなる頻尿、排尿時の痛み、排尿しても残っている感じがする残尿感などを、膀胱刺激症状と言います。尿道に繋がる膀胱の底の部分は、尿が溜まった時に、尿意を感じるセンサーの働きがあるため、膀胱の底の部分に膀胱がんができると、頻尿の症状がでることが多いようです。

・水腎症
膀胱がんが進行して、筋層から深く拡がると、周辺の臓器に転移するようになります。尿管を圧迫したり閉塞すると、尿が流れなくなり腎臓に水分がたまって大きくなる水腎症を発症することがあります。水腎症になると、背中や腰に痛みが出ます。
背中や腰の痛みが膀胱がんと、直接結びつく方はいないと思います。血尿など他の思い当たる症状があれば、泌尿器科で相談してみましょう。

③ 膀胱がんのリスクファクター

膀胱がんの発症と関連があることがわかっているリスクファクターを紹介します。

・喫煙
アメリカの大規模で長期間の調査の結果、喫煙は膀胱がんの発症と密接な関係があることがわかっています。 喫煙をする人は、喫煙しない人と比べて、膀胱がんになる割合が、男性は3.89倍、女性は4.65倍増えると報告されました。また、喫煙する方では、膀胱がんの発症年齢が、5~6歳早いこともわかっています。
1日の喫煙の本数が少ないほど、また禁煙の期間が長いほど、膀胱がんの発症リスクが減少することも明らかになっています。

・発がん性のある化学物質を扱う職業
化学物質の中には、発がん性があるものがあります。そうした化学物質に接する機会のある職業、例えば染物工場などに従事する人に、膀胱がんの発症が多いことがわかっています。

・慢性的な膀胱の炎症
膀胱の慢性的な炎症が下地となって発がんする可能性が考えられています。膀胱結石、神経因性膀胱などの病気の他、抗がん剤のシクロフォスファミドや放射線療法が原因となる場合もあります。

④ 膀胱がんセルフチェック

膀胱がんを患うリスクが高い、あるいは膀胱がんを患っている可能性があるかどうか、セルフチェックをしてみましょう(表)。該当する項目が少なくても、思い当たることがあれば、医療機関を受診しましょう。

(表)膀胱がんセルフチェック

・50歳以上である。 Yes / No
・男性である。 Yes / No
・たばこを吸っている。 Yes / No
・化学薬品を扱う職業である(染物工場に従事)。 Yes / No
・ヨーグルトはあまり食べない。 Yes / No
・果物はあまり食べない。 Yes / No
・緑黄色野菜はあまり食べない。 Yes / No
・膀胱結石、神経因性膀胱と診断されている。 Yes / No
・腰が痛い。 Yes / No
・背中に痛みがある。 Yes / No
・体重が減ってきた。 Yes / No
・血尿が出たことがある。 Yes / No
・トイレに行く回数が増えた。 Yes / No
・排尿時に痛みがある。 Yes / No
・膀胱炎の症状が続いている。 Yes / No

⑤ 主な膀胱がんの原因

膀胱がんを発症する直接の原因は明らかになっていませんが、前述の膀胱がんのリスクファクターである、喫煙している方、発がん性のある化学物質に接する機会の多い方、慢性的な膀胱の炎症性の病気のある方は、要注意です。
また、生活習慣病、特に糖尿病と膀胱がん発症の関係が研究されています。健康診断などで糖尿病と診断されたり、糖尿病予備軍として生活改善を指摘された方は、膀胱がんの発症リスクについても、頭に入れておきましょう。

⑥膀胱がんと同じような症状の病気は

膀胱がんを患った時の症状と、同じような症状の出る病気があります。膀胱炎の治療をしていてもなかなか治らない場合や、膀胱がんと同じ成り立ちの病気、加齢とともに増えてくる病気などがあります。いずれにしても、しっかりと検査をして、何の病気であるか、確認しなければなりません。

・腎盂・尿管がん
腎臓の中で作られた尿が集められるところを腎盂と言いますが、腎盂や尿管は、膀胱と同じ尿路上皮(移行上皮)という粘膜で覆われています。そのため、腎盂・尿管がんは、膀胱がんと合併することの多いがんです。
腎盂・尿管がんは、膀胱がんと同様の症状のため、CT、MRI検査や、尿路造影検査などで診断します。

・膀胱炎
血尿や頻尿、残尿感などの膀胱刺激症状、排尿時痛など、膀胱炎は膀胱がんと同様の症状があります。膀胱炎の特徴は、女性に多く排尿の最後に強い痛みがあり、尿の濁りや尿に細菌が認められます。水分をたくさん摂り、抗菌薬で治療しますが、特に50歳以上の男性で膀胱炎がなかなか治らない場合には、膀胱がんの可能性も考えたほうが良いでしょう。

・過活動膀胱
高齢者に多く、急に尿意を感じる尿意切迫感が、主たる症状です。その他、頻尿や、急な尿意でトイレが間に合わず、もらしてしまうという症状があります。排尿に関係する脳や脊髄、末梢神経の障害が原因の場合や、膀胱の機能が低下して起きる場合などがあります。
また、男性では前立腺肥大症、女性では骨盤底筋の低下など、原因となる病気や状態がある場合には、合わせて治療を行います。

⑦ 膀胱がんの予防対策

第一の予防対策は禁煙です。早く禁煙すれば、膀胱がんの発症リスクも低くなります。喫煙は、膀胱がんだけでなく他のがんや、病気の原因としてもあげられていますので、禁煙するようにしましょう。
また、膀胱がんの発症は、生活習慣病との関係が研究されています。過食や偏った食事など食生活の乱れや、運動不足、肥満がある方は、膀胱がんだけでなく、他の病気を予防するためにも、生活を改善するようにしましょう。

⑧ まも〜るくんの紹介

膀胱がんは、比較的発症頻度が低いことや、確実に目安となる腫瘍マーカーが無いことから、膀胱がん検診というものはありません。有効な早期発見としては、尿検査の結果で、赤血球が+になることでしょう。
一回の血尿では膀胱がん疑いというわけにはいきません。繰り返し検査が必要となります。そうなると、なかなか時間が取れなかったり、億劫になってしまい、いつの間にか日にちが経ってしまうということもあるでしょう。あの時、検査をしておけば・・・ということになりかねません。
まもーるくんでは、超早期からがんのリスク情報を、あなたに提供します。

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