子宮がん

① 子宮がん

子宮がんは、子宮にできる悪性腫瘍です。子宮がんは、がんが発生する場所によって2種類に分けることができ、子宮体部にできた「子宮体がん」と、子宮頸部にできた「子宮頸がん」に分けられます。
子宮体がんと子宮頸がんは、発生する粘膜、がんができる原因、がんの構造、拡がり方などの特徴が異なり、それぞれ患う年代も違うため、全く違うがんと考えて良いでしょう。子宮体がんは、子宮内膜から発生するため、子宮内膜がんとも言われます。
子宮は、粘膜と筋肉の3層構造になっています。外側から、漿膜(しょうまく)、子宮筋層、子宮内膜の3層です。子宮内膜は、妊娠していない時は、月経として周期に合わせて剥がれ落ちます。また妊娠すると子宮内膜に受精卵が着床し胎児を育てます。
2013年に子宮がんを発症した方の人数は、子宮頸がんが10,520人、子宮体がんが13,004人と約1/2ずつとなっています。子宮体がんはホルモンバランスの乱れと関係し閉経前後に多いのに対し、子宮頸癌は、ヒトパピローマウイルス(HPV)感染が、発症の原因と考えられています。 子宮頸癌は30~40代に多いのですが、最近では性年齢の低年齢化が進み、20代も増加しています。

② 初期症状

子宮体がんと子宮頸がんを、分けて考えていきます。好発年齢に合わせて、それぞれ思い当たるところがないか、チェックしてみましょう。

子宮体がん

閉経前後

子宮頸がん

30~40代(20代も増加傾向)

初期からほとんどの人に症状があります。 初期に自覚症状はほとんどない。
・不正出血

一時的な少量の出血

閉経後出血

閉経前の不規則月経など

褐色のおりもの

・おりものの状態が変わる

量が増える、色が濃くなる、悪臭など

初期でもみられる症状

おりものが増える

性交時出血

③ 子宮がんの代表的な症状

子宮体がんと子宮頸がんと、分けて考えていきます。
いずれも、進行して子宮がんが大きくなると、周辺の臓器を圧迫してさまざまな症状に気が付くようになります。
また、進行・転移すると、転移した臓器に症状が現れます。

子宮体がん 子宮頸がん
・下腹部の痛み

・足の痛みや浮腫み

・排尿痛

・排尿困難

・直腸障害(血便、腸閉塞など)

・性交時痛

・性交後出血

・貧血

・発熱、悪寒

・悪臭を伴うおりもの

・腰、背骨の痛み

・足のむくみ

・頻尿

・排尿困難

・血便

・水腎症

・膀胱膣瘻

・直腸膣瘻

④ 子宮がんの組織型分類

子宮体がんと子宮頸がんは、分けて考えていきます。組織型によって、がん細胞の性質や拡がり方、化学療法の効き方などが異なります。

・子宮体がん
子宮体がんのほとんど全て、内膜腺由来の腺がんです。早期がんでみつかることは少なく、進行がんが多い傾向です。類内膜腺がんの悪性度が高いタイプG3と、漿液性腺がん、明細胞腺がんは、いずれも悪性度が高いため、治療法の選択は同等に扱われます。

子宮体がんの組織型
組織型による分類 特徴
類内膜腺がん

(粘液性腺がんを併存することがある)

子宮体がんの約8割

子宮内膜細胞に似たタイプ

分化度(G1高分化型、G2中分化型、G3低分化型)によって悪性度を分ける

Ⅰ型(エストロゲン依存性)
漿液性腺がん 卵巣がんの漿液性腺がんと似たタイプ

漿液を作る。悪性度が高いタイプ。

化学療法に効きにくく、摘出しないと予後は不良

Ⅱ型(エストロゲン非依存性)

主に閉経後高齢者の萎縮内膜に発生

 

 

明細胞腺がん 卵巣がんの明細胞腺がんと似たタイプ

悪性度が高いタイプ。

化学療法に効きにくく、摘出しないと予後は不良

その他の組織型分類:小細胞がん、移行上皮がん、未分化がんもあり悪性度が高いタイプです。

・子宮頸がん
子宮頸がんの組織型は、扁平上皮がんと腺がんに分類されます。中でも腺がんが増加傾向です。子宮がん検診の普及に伴い、早期がんである上皮内がん(0期)が増加傾向です。

⑤ 検査方法の種類(検査期間・予算 )

今回は子宮がんの検査方法を紹介します。期間なども合わせてみてください。
・細胞診
細胞を採取し顕微鏡で観察します。子宮体がんに対する頸部のみの診断率は約50%、子宮内膜による診断率は約90%、子宮頸がんに対する診断率は99%と言われています。
判定後、偽陽性またはクラスⅢ以上は組織診に進みます。

・子宮頸がんのペセスダ方式による判定<検査期間> 外来で細胞を採取します。細胞診の結果は後日先生から説明があります。
<検査費用> 検体の採取方法や標本により異なります。標本作成や病理診断料など加算されます。子宮がん検診で細胞診を希望する場合には費用がかかりますが、1500円程度です。各行政にお問い合わせ下さい。・組織診細胞診でがんが疑われた場合には、がんが疑われる部分から組織を採取します。がん細胞の組織型、がんがどのぐらいの深さに達しているか(浸潤、深達度)や拡がりなどがわかります。非常に重要で、必ず必要な検査です。
<検査期間>通常外来で行いますが、子宮体がんでは麻酔をかけて内膜全部を採取する場合や、子宮頸がんでは円錐切除術で子宮頸部の全周を採取する場合には、入院して行います。
<検査費用>外来・入院・日帰りなど、採取する組織の部位、標本作成、診断料など、個人で異なりますので、医療機関でお尋ねください。・超音波(エコー)検査膣内に超音波を発する器具を挿入し、反射した超音波の様子を画像で観察することができます。腫瘍と周囲の臓器の位置関係や、がん細胞の拡がり(深達度)、リンパ節や他の臓器への転移などを調べることができます。
<検査期間>外来で行われます。画像を見ながら説明を聞くことができます。
<検査費用>胸腹部の超音波検査の診療報酬点数は、530点です。3割負担で1590円です。

・子宮鏡検査、コルポスコピー検査子宮体がんでは子宮体部に内視鏡を挿入して子宮体部内を観察します。
子宮頸がんではコルポスコープという拡大鏡で子宮頸部の粘膜を観察します。
組織を採取する際に併用することもあります。
<検査期間>外来で行います。画像を見ながら説明を聞くことができます。
<検査費用>診療報酬点数はコルポスコピー210点、子宮ファイバースコピー800点です。それぞれ3割負担で、700円および2700円ですが、読影料などが加算されます。

・画像検査(CT検査、MRI検査) CT検査では、リンパ節や他の臓器への転移を診断します。MRI検査は磁気を利用して、腫瘍の深達度(浸潤の深さ)などを確認できます。
<検査期間> 外来で行います。検査の結果は、当日または後日医師から説明があります。
<検査費用> 診療報酬は、装置や施設により異なりますが、CT撮影が1,000点前後、MRI撮影が1,600点前後ですので、3割負担で3000~5000円となります。⑦ 子宮がんの病期(ステージ)分類子宮体がんのステージ分類子宮頸がんのステージ分類子宮頸がんのステージ分類⑧ 子宮がんの病期別5年生存率子宮がんの診断や治療をうけた方の5年生存率を紹介します。子宮がんの治療は、基本的には手術によるがんの摘出ですが、高リスクの場合には術後に化学療法、放射線療法、ホルモン療法を行います。またⅢ期、Ⅳ期で手術できない場合には、化学療法と放射線療法を行います。

子宮体がんの組織型
子宮頸がんの組織型
組織型による分類 特徴
扁平上皮がん 膣に近い部分に、10~15層重なっている

表面を多い保護する役目

扁平上皮から発生する扁平上皮癌が7割

腺がん 子宮体部に続く頸管に1層に並ぶ

頸管粘液を分泌する

腺上皮から発生する腺がんが3割

Ⅰ期 がんが子宮体部にのみ認められる(子宮頸部、その他にがんは認められない)
IA期 がんが子宮筋層の1/2未満
IB期 がんが子宮筋層の1/2以上
II期 がんが子宮体部を越えて子宮頸部に広がっている(子宮の外に出ていない)
III期 がんが子宮外に広がっているが、骨盤を越えて外には広がっていない、または骨盤内あるいは大動脈周囲のリンパ節に転移を認める
IIIA期 がんが子宮の外の膜や骨盤の腹膜あるいは卵巣卵管に広がっている
IIIB期 腟ならびに/あるいは子宮傍組織に広がっている
IIIC期 骨盤内、あるいは大動脈周囲のリンパ節に転移を認めるもの
IIIC1期 骨盤リンパ節転移があるもの
IIIC2期 骨盤リンパ節への転移の有無に関わらず、傍大動脈リンパ節転移があるもの
IV期 がんが骨盤を越えて別の部位へ広がるか、膀胱ならびに/あるいは腸の粘膜を侵すもの、ならびに/あるいは遠隔転移のあるもの
IVA期 膀胱ならびに/あるいは腸の粘膜までがんの浸潤を認めるもの
IVB期 腹腔内ならびに/あるいは鼠径部(そけいぶ:足のつけ根)のリンパ節転移を含む遠隔転移のあるもの
Ⅰ期 がんが子宮体部にのみ認められる(子宮頸部、その他にがんは認められない)
IA期 がんが子宮筋層の1/2未満
IB期 がんが子宮筋層の1/2以上
II期 がんが子宮体部を越えて子宮頸部に広がっている(子宮の外に出ていない)
III期 がんが子宮外に広がっているが、骨盤を越えて外には広がっていない、または骨盤内あるいは大動脈周囲のリンパ節に転移を認める
IIIA期 がんが子宮の外の膜や骨盤の腹膜あるいは卵巣卵管に広がっている
IIIB期 腟ならびに/あるいは子宮傍組織に広がっている
IIIC期 骨盤内、あるいは大動脈周囲のリンパ節に転移を認めるもの
IIIC1期 骨盤リンパ節転移があるもの
IIIC2期 骨盤リンパ節への転移の有無に関わらず、傍大動脈リンパ節転移があるもの
IV期 がんが骨盤を越えて別の部位へ広がるか、膀胱ならびに/あるいは腸の粘膜を侵すもの、ならびに/あるいは遠隔転移のあるもの
IVA期 膀胱ならびに/あるいは腸の粘膜までがんの浸潤を認めるもの
IVB期 腹腔内ならびに/あるいは鼠径部(そけいぶ:足のつけ根)のリンパ節転移を含む遠隔転移のあるもの
I期 がんが子宮頸部のみに認められ、ほかに広がっていない
(子宮体部への浸潤[広がり]は考えない)
IA期 組織学的にのみ診断できる浸潤がんで間質浸潤の深さが5mm以内

縦軸方向の広がりが7mmを超えない

IA1期 組織学的にのみ診断できる浸潤がんで間質浸潤の深さが3mm以内

縦軸方向の広がりが7mmを超えない

IA2期 間質浸潤の深さが3mmを超えるが5mm以内、広がりが7mmを超えない
IB期 臨床的に明らかな病変が子宮頸部に限局する
または臨床的に明らかではないがIA期を超える
IB1期 病変が4cm以内
IB2期 病変が4cmを超える
II期 子宮頸部を越えて広がっているが、骨盤壁または腟壁下1/3 には達していない
IIA期 がんが腟壁に広がっているが、子宮頸部の周囲の組織には広がっていない
IIA1期 病変が4cm以内
IIA2期 病変が4cmを超える
IIB期 がんが子宮頸部の周囲の組織に広がっているが、骨盤壁まで達していない
III期 がんが骨盤壁まで達するもので、がんと骨盤壁との間にがんでない部分をもたない、または腟壁の浸潤が下方部分の1/3に達する
IIIA期 がんの腟壁への広がりは下方部分の1/3に達するが、子宮頸部の周囲の組織への広がりは骨盤壁にまでは達していない
IIIB期 がんの子宮頸部の周囲の組織への広がりが骨盤壁にまで達している、

または腎臓と膀胱をつなぐ尿管ががんでつぶされ、水腎症(すいじんしょう)や腎臓が無機能となったもの

IV期 がんが小骨盤腔(しょうこつばんくう)を越えて広がるか

膀胱・直腸の粘膜にも広がっている

IVA期 膀胱や直腸の粘膜へがんが広がっているもの
IVB期 小骨盤腔を越えて、がんの転移があるもの

⑨ 早期発見メリット

子宮頸がんは、HPVワクチン接種による予防効果が明らかになり、子宮がん検診の啓発も進み、早期に上皮内がんで発見されることが多くなってきました。一方子宮体がんは、早期から症状があるにも関わらず、増加傾向にあります。子宮体がんは検診では体部の細胞診は行われることが無いため、早期での発見が遅れる原因となっています。
上皮内がんで発見され、早期に治療を開始すれば、治癒する確率の高いがんです。早期に発見して早期に治療を開始するようにしましょう。

⑩ がんリスク評価(まも~るくん)

子宮がんの検査は、2年に1度必ず受けるように薦められていますが、内診や細胞の採取方法で、二の足を踏む方も多くいます。
まもーるくんでは、血液検査や尿検査で、症状の無い頃から癌のリスクを評価することができます。超早期にがんリスクの情報が得られれば、すぐに詳しい検査に進むこともでき、早期治療に繋がります。

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