子宮がん初期症状

① 子宮がん

子宮がんは、子宮体部にできた「子宮体がん」と、子宮頸部にできた「子宮頸がん」に分けられます。
2013年に子宮がんを発症した方の人数は、子宮頸がんが10,520人、子宮体がんが13,004人と約1/2ずつとなっています。以前は子宮頸がんが約7割を占めていましたが、子宮がん検診の普及により上皮内がんや異形成で発見されることが多くなり、また子宮頸がんワクチンの接種が始まったことから、子宮頸がんは減少傾向にあります。
一方、子宮体がんの発症はホルモンバランスの乱れと関係し、閉経前後に多いのですが、食生活の欧米化による肥満や、社会進出による結婚年齢の高齢化や未婚、出産しない未妊など様々な背景を元に、子宮体がんは増加の傾向にあります。
子宮がん検診は2年に1回受けることが推奨されていますが、日本では欧米諸国に比べて受検者が少ないことがわかっています。また、症状に気が付いたとしても、婦人科を受診するまでに時間を要してしまう方も多いようです。
子宮がんは、早期発見、早期治療すれば完治も目指せるがんです。子宮がんの症状を知ることが早期発見につながります。子宮がんの症状を紹介しましょう。

② 子宮がんの初期症状

子宮体がんは、初期からほとんどの方で症状が現れますが、閉経前の不規則月経などと思い込み、受診が遅れる傾向にあります。一方、子宮頸がんは初期にはほとんど症状がなく、子宮がん検診で発見されることが多いようです。
子宮がんを患ったときにあらわれる代表的な症状をご紹介します。思い当たるものがないか、チェックしてみましょう。

・不正出血
一時的な少量の出血
閉経後出血
閉経前の不規則月経など
出血量が少ない場合には、褐色のおりものとして気が付きます
性交時出血

・おりものの状態が変わる
量が増える、色が濃くなる、悪臭がするなど

② 子宮がんの主な自覚症状

子宮がんが進行して粘膜下に拡がったり、リンパ節や周辺の組織、離れた臓器に転移すると、さまざまな症状が現れるようになります。

・性交時痛、性交後出血
膣から子宮頸部に腫瘍がある場合には、性交の刺激によって、痛みが出たり、出血したりします。
・下腹部の痛み
子宮がんが大きくなり、周辺の臓器を圧迫するようになると、下腹部の鈍痛を感じるようになります。

・足の浮腫み、足の痛み
骨盤内の神経や血管を圧迫するようになると、腰痛や足に痛みが出たり、足がむくみやすくなったりします。

・排尿痛、排尿困難、頻尿
子宮がんが大きくなり、膀胱や尿管を圧迫するようになると、排尿にまつわる症状が現れるようになります。トイレの回数が多くなったり、排尿時の痛みや尿意があっても排尿しづらい、血尿などの症状が現れることがあります。

・直腸障害
子宮がんが大きくなり、直腸の方へ拡がると血便が出たり、腸閉塞を起こす場合があります。

・水腎症
子宮がんが尿管や血管を圧迫すると、腎臓で作られた尿が通過できずに、腎臓に溜まってしまうことがあり、水腎症と言います。

・貧血
がんの病巣から出血が起こり、貧血になっている場合があります。

③ 子宮がん発症のリスクファクター

子宮体がんと子宮頸がんを分けて考えていきます。それぞれ、発生の原因は全く異なることがわかっています。子宮がんの明らかな原因以外に、子宮がんが発症するリスクファクターも研究されています。

子宮体がんのリスクファクター 子宮頸がんのリスクファクター
・エストロゲンが関与する場合

肥満、閉経が遅い、出産経験がないなど

・子宮頸部へのヒトパピローマウイルス(HPV)感染(子宮頸がん患者の90%以上から検出)
・乳がん治療薬「タモキシフェン」の服用

・女性ホルモンの服用(更年期障害の治療のため)

・出産回数が多い

・複数のセックスパートナー(感染の確率が多くなります)

・初交年齢が若い

・喫煙

・経口避妊薬の服用

・免疫の低下(HPVが排除できない)

④ 子宮がんセルフチェック

子宮がんを患っている可能性があるかどうか、セルフチェックをしてみましょう。チェックがあっても必ずしも子宮がんとは限りません。また、チェックが少なくても、思い当たるところがあれば医療機関を受診するようにしましょう。

・子宮体がんのセルフチェック

・50~60歳である。 Yes / No
・閉経前で月経が不規則である。 Yes / No
・不正出血があった。 Yes / No
・性交時や性交後に痛みや出血がある。 Yes / No
・更年期障害で薬を服用している。 Yes / No
・乳がんの術後にタモキシフェンを服用している。 Yes / No
・おりものが増えた。 Yes / No
・太っている。 Yes / No
・閉経が遅い Yes / No
・出産経験がない Yes / No
・下腹部が痛い、あるいは重い感じがする。 Yes / No
・頻尿、排尿時の痛み、排尿しづらいなどの症状がある。 Yes / No
・血便が出た。 Yes / No
・足や腰が痛い。 Yes / No

・子宮頸がんセルフチェック

・30~40歳である。 Yes / No
・最初の性体験の年齢が10代である。 Yes / No
・複数のセックスパートナーがいる。 Yes / No
・性交時や性交後に痛みや出血がある。 Yes / No
・出産回数が多い Yes / No
・喫煙している。 Yes / No
・経口避妊薬(ピル)を服用している。 Yes / No
・おりものが増えた。 Yes / No
・おりものの色が濃い。 Yes / No
・おりものの臭いが強い。 Yes / No
・下腹部が痛い、あるいは重い感じがする。 Yes / No
・頻尿、排尿時の痛み、排尿しづらいなどの症状がある。 Yes / No
・血便が出た。 Yes / No
・足や腰が痛い。 Yes / No

h2>⑤ 子宮がんの主な原因

子宮がんは、発症の原因がわかっています。原因があっても、複数の条件が重なって発症するため、必ずしも発症するわけではありません。
子宮体がんと子宮頸がんの原因は全く異なりますので、分けて紹介していきましょう。

・子宮体がんの原因
ホルモンバランスの変化に伴って発症すると考えられています。子宮体がんは、女性ホルモンであるエストロゲンの刺激を長期間強く受けた場合に、発症すると考えられています。これをエストロゲン依存性といいます。
エストロゲンは月経後から次の排卵日まで分泌されるホルモンで、子宮内膜を厚くして妊娠に備える働きがありますが、閉経前後になると、ホルモンのバランスが崩れることによって、エストロゲンの刺激が強く影響を及ぼし、子宮体がんの原因になることがわかりました。
子宮内膜増殖症は、同様にエストロゲンの影響を強く受けて発症し、子宮体がんの前段階と考えられており、がん化する確率が高いタイプがあることがわかっています。そのため、子宮内膜増殖症の方は、子宮体がんとの鑑別診断と、経過観察が必要です。

・子宮頸がんの原因
子宮頸がんの原因は、性交渉によるヒトパピローマウイルス(HPV)感染であることが明らかになっています。子宮頸がんの方の90%以上で検出されます。ただし、HPV感染があっても必ずしも、子宮頸がんを発症するわけではありません。
HPVには多くの型があり、子宮頸癌の原因となる高リスクのタイプとして、特に16型、18型、33型、52型が指摘されています。この型のHPV保有者の男性とのセックスによって、子宮頸部にHPVが付着しますが、通常は免疫によって排除され感染にはいたりません。
HPV感染が持続した場合、その1~3割で、子宮頸部の細胞が異形成を起こします。異形成を起こしても子宮頸がんを発症するのは、約1割以下と言われています。また、子宮頸がんを発症するまでに、細胞の異常が軽度異形成(CIN1)から高度異形成(CIN3)まで進行するのに5年~数10年かかると言われています。
この間に子宮がん検診などで発見された時に、軽度異形成の場合、がんに進行するのは5%以下と言われており、経過観察になることもあります。中等度~高度異形成で見つかった場合には、前がん状態と判断され、治療をうけることになるでしょう。

⑥ 子宮頸がんと鑑別するべき病気

・子宮内膜増殖症
子宮内膜の細胞が異常に増殖し、子宮内膜の厚さが厚くなります。通常5mm以上になると異常値として、組織検査を行います。異型が見つかれば前がん病変として、子宮内膜面を切除します。40歳代に多く、不正出血を伴います。

・子宮内膜ポリープ
子宮内膜表面のポリープです。大きさは大小あり、40~50歳代に多く発生し、不正出血を伴います。経腟超音波検査で観察されます。必ず内膜細胞診を行い、悪性腫瘍の細胞が無いか確認することが重要です。
約7割が良性と言われており、不妊の方が子宮内視鏡下で摘出すると妊娠する可能性が高まると言われています。

⑦ 子宮がんの予防策は?

子宮がんの予防は、子宮がん検診を受けることです。子宮がんは40歳代以降50~60歳代をピークとして、高齢でも発症する可能性が高いがんです。
子宮頸がんでは、異形成の状態で発見され、早期に治療すれば完治する可能性があります。また、子宮体がんでも、上皮内がんであれば身体に負担の少ない手術で回復が見込まれます。

⑧ まも〜るくんの紹介

早期発見には、子宮がんのリスクを知ることが重要です。まもーるくんでは、尿検査や血液による遺伝子検査などで、他の検査では発見できない段階で、がんのリスクを評価します。
がんのリスクが指摘されれば、超早期に子宮がんを発見できる可能性があります。更に詳しい検査に進むこともできます。

Follow me!