卵巣がん初期症状

① 卵巣がん

卵巣は、卵胞ホルモンと黄体ホルモンという2種類の女性ホルモンの分泌と、卵細胞を成熟させて排卵する働きがあり、女性特有の体を作り、妊娠・出産を準備する女性にとって、重要な臓器です。
卵巣がんは、卵巣の細胞から発生した悪性腫瘍ですが、良性腫瘍や悪性と良性の中間である境界悪性腫瘍も発生します。そのため、卵巣がんの診断では、良性、悪性を鑑別することが非常に重要です。
卵巣がんは、40~60歳代の中更年期に多く発症し90%を占めますが、10~20歳代の若い方にも発症します。若い方では、できるだけ妊娠の可能性を残すため、更年期以降の方とは治療法が異なります。
卵巣がんは、初期にはほとんど自覚症状がなく、自覚症状が現れる頃にはがんが進行している事が多く、40歳代では卵巣がんによる死亡が多くを占めています。また、卵巣がんが疑われた場合には、手術で可能な限り腫瘍を切除することで、予後が良好になることがわかっているため、腫瘍の大きさが小さく、周辺の組織や臓器に拡がっていない段階での治療を開始したいものです。
卵巣がんを早期に発見、早期に治療を開始するために、卵巣がんの症状や、発症のリスクファクターについて紹介します。

② 卵巣がんの初期症状

卵巣がんは、初期で腫瘍の大きさが小さい時は、ほとんど無症状です。また、腹部の症状があったとしても、卵巣がんを疑う人はまずいません。
初期の段階の卵巣がんは、人間ドックや子宮がん検診の子宮内膜細胞診や、超音波検査で偶然発見されるケースが増えてきているようです。

②卵巣がんの自覚症状

卵巣がんが大きくなり、周囲の臓器を圧迫するようになると症状が現れるようになります。一般的な腹部症状が多いことや、太ったと思いこんで見過ごすことも多いようです。

・腹部膨満感、胃腸障害
腹部を圧迫するため、腹部が腫れた感じや胃腸障害、食欲不振などの症状が現れます。
・頻尿(尿が近い)、便秘
大きくなった腫瘍で、膀胱や直腸を圧迫して、尿が近くなったり、便秘がちになったりします。

・足が浮腫む
大きくなった腫瘍が血管を圧迫し、血流が妨げられ、足が浮腫みやすくなります。

・ウエストが太くなる
腹水がたまるようになると腹囲が大きくなり、衣服のウエストがきついことで気が付きます。

・腫瘍を外から触れる
腹壁を通して、大きくなった腫瘍に触れることがあります。

・胸水が溜まる
腹水が増えて胸水もたまるようになると、呼吸が苦しくなります。特に悪性の卵巣がんで多く見られます。

・突然の激痛
卵巣がんの付け根の部分がねじれたり、卵巣腫瘍が破裂することがあり、突然の激痛に襲われます。

③ 卵巣がんのリスクファクター

卵巣がんのリスクファクターとして確立されているのは、BRCA1、BRCA2の遺伝子変異のみです。卵巣がんの約10%に遺伝子変異が関わっていると言われています。
その他、成人期の高身長、喫煙、出産歴が無い、初潮が早く閉経が遅いといった項目が、卵巣がんの発症リスクと関連がある可能性が研究されています。

④ 卵巣がんセルフチェック

卵巣がんを患っている可能性があるかどうか、セルフチェックをしてみましょう。チェックが少なくても、思い当たるところがあれば医療機関を受診するようにしましょう。

・40歳以上の女性である。 Yes / No
・血縁者に卵巣がんを患った人がいる。 Yes / No
・喫煙している。 Yes / No
・お腹に膨満感がある。 Yes / No
・お腹にしこりがある。 Yes / No
・頻尿になった。 Yes / No
・便秘がちである。 Yes / No
・足が浮腫みやすい。 Yes / No
・ウエスト回りが太くなった。 Yes / No
・呼吸が苦しいことがある。 Yes / No
・子宮がん検診を受けたことがない、または最近受けていない。 Yes / No

⑤ 卵巣がんの原因

卵巣がんは、発症に関連するリスクファクターと同時に、原因も遺伝子変異以外、わかっていません。卵巣がんは、卵巣を構成する表層上皮細胞、間質細胞、胚細胞、顆粒膜細胞、莢膜細胞などすべての細胞から、腫瘍が発生するため、組織型は多様で腫瘍の性質も異なります。
組織型ごとに発生のメカニズムが異なれば、卵巣がんの発生に何が影響を及ぼすのか、関連する要因も画一化できないため、原因は特定されていません。今後の研究に期待したいところです。

⑥ 良性腫瘍と卵巣がんの鑑別

卵巣は、卵巣を構成する細胞から、多くの良性腫瘍や悪性腫瘍、境界型悪性腫瘍など多くの腫瘍が発生します。卵巣腫瘍は、良性と悪性の鑑別は非常に難しいと言われています。なぜ、鑑別が難しいのでしょう。

・診断のための生検はしない
通常、腫瘍が良性か悪性かの診断は、画像診断が進んで造影CT検査やMRI検査などで確証がつかめたとしても、組織を採取して生検を行います。組織採取には、腫瘍に針を刺して吸引したり、腫瘍を一部切除して行います。
卵巣がんでは、多くの臓器が詰まっている腹腔内にあるため、組織を採取するためには、針を刺して組織を採取することになります。針を刺したことによって、腹腔内にがん細胞が飛び散る可能性は否めません。そのため、診断のための生検は行っていないのです。

・画像診断による良性か悪性かの判断
CT検査やMRI検査、超音波検査では、腫瘍の内部の様子を観察することができます。良性細胞の場合、腫瘍内部に水や粘液、血液、脂肪など溜まって腫瘍が大きくなりますが、悪性の場合には、これらのほかに腫瘍細胞自体も増殖するため充実部と呼ばれる部分が大きくなります。そのため、画像検査で、この充実部が確認されることで悪性と推定されるわけです。

・卵巣がんの腫瘍マーカー
上皮性卵巣がんに対するCA125、胚細胞腫瘍ではαフェトプロテインがマーカーとしてつかわれます。卵巣がんから放出されているCA125の血液中の濃度を測定し、数値が高ければ悪性の可能性が示唆されます。ただし、良性腫瘍でも、数値が上がる場合があるため、複数回の検査を必要とします。
治療前後に、治療の有効性を確認するために、腫瘍マーカーを測定することがあります。

・卵巣腫瘍の治療方針
患者側としては、良性腫瘍であれば手術をしないで、経過観察をしたいところです。しかし、少なからず悪性の可能性がある、腫瘍が大きいもしくは大きくなる可能性がある、腹痛や生理痛などの症状が重く不妊症の原因になる可能性があるなどの場合には、医師の説明に従い、手術を検討すると良いかもしれません。
あの時手術しておけばよかったというようにならないように、疑問や不安があれば、主治医と十分相談するようにしましょう。

⑦ 妊娠する可能性を残した手術

卵巣がんは、手術後に摘出した卵巣やリンパ節を組織検査して、病期を決定します。術前の画像検査などで推定された病期が進行していれば、摘出する範囲は広くなります。
卵巣と子宮を摘出した場合には、妊娠が望めなくなりますが、次の場合には妊孕性(にんようせい)温存手術が考慮されます。

妊孕性温存手術の条件

組織型 漿液性がん、粘液性がん、類内膜がん(化学療法の有効性が高い)。
進行期 ⅠA(片側の卵巣(被膜破綻がない)あるいは卵管に限局し、被膜表面への浸潤が認められないもの。腹水または洗浄液※2の細胞診にて悪性細胞の認められない)
分化度 グレード1または2(悪性度が低い)
その他 妊娠可能な年齢、妊娠の強い希望
卵巣がん、妊孕性温存手術を理解している。
治療後の経過観察を継続できる

*卵巣の表層をおおう膜が破れること。

⑧ 卵巣がんの予防策は?

現在卵巣がんの原因として明らかになっているのは、遺伝子変異だけです。血縁の方に、卵巣がんのいる方は、予め遺伝子検査を受け、BRCA1、BRCA2の遺伝子変異があれば、定期的に検査を受けることで、早期発見に繋げることができます。
その他の要因は現段階では明らかになっていませんが、喫煙は卵巣がんの発生に関与している可能性が研究されています。喫煙は他のがんや生活習慣病の原因になることが知られており、健康管理のためにも、進んで禁煙を心がけましょう

⑨ まも〜るくんの紹介

早期発見には、卵巣がんのリスクを知ることが重要です。まもーるくんでは、尿検査や血液による遺伝子検査などで、他の検査では発見できない段階で、がんのリスクを評価します。
がんのリスクが指摘されれば、超早期に卵巣がんを発見できる可能性があります。更に詳しい検査に進むこともできます。

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